上田グローリア合唱団委嘱作品
混声合唱組曲 「むかし語り つつじの乙女に寄せて」
![]() 創立30周年記念演奏会 日本音楽集団伴奏 |
昭和50年、第25回の節をつくるためにも何か記念になる演奏会を しようと、前年より計画が進められ、古くから上田市の山口地籍に語 りつがれている、「つつじの乙女」の伝説を組曲とし演奏しようというこ とになった。 詩は、当時小県郡青木村青木中学校で教鞭をとられていた稲垣勇一先生が、 民話のもつ心の響きをとても大切になさりながら、私達のために書き下ろして下さった。 そして、この素晴らしい詩をたずさえ、三木 稔先生に作曲をお願いし、 全9曲の組曲「むかし語り つつじの乙女に寄せて」が完成した。 創立25周年記念演奏会には三木 稔先生、稲垣勇一先生をお迎えし、 ピアノ伴奏で初演した。初演のナレーターは稲垣先生の紹介により、 当時染谷丘高校演劇部部長の沓掛裕子さんがして下さった。 |
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昭和55年、創立30周年の年、日本音楽集団の伴奏で演奏したいという長井先生の依頼で、 三木先生が先生の教え子でもあり、音楽集団に在籍していた内田とも子さんに依頼し 和楽器での伴奏が完成した。 ナレーターには音楽集団の紹介で劇団「民芸」の女優 南風(みなかぜ)洋子さんを迎えた。 老婆に扮した南風さんの演技はサスガ!といえるもので団員は練習中 話に聞きほれ音もおぼつかないほどだった。 |
創立30周年 リハーサルの南風洋子さん |
<2000年 創立50周年記念演奏会から>
この曲を演奏するのは4回目となるこの年は、ナレーターに女優の高田敏江さん、 そして日本音楽集団の皆さんを再びお迎えし演奏した。 演奏会に先駆け、音楽集団との合わせのため10名ほどが東京の練習場へ出向いた。 この時は高田さんもナント来てくださったのであった。 そして創立50周年記念演奏会のメーンを飾る素晴らしいステージとなった。 |
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老婆に扮した高田さん | パーティーでの高田さん |
<2005年 創立55周年記念演奏会>
むかし語り つつじの乙女に寄せて
稲垣 勇一 作詩 三木 稔 作曲
T 祭 り | Y 烏 |
U 邂 逅(めぐりあい) | Z 呻 き |
V 山 路 | [ 破 局 |
W 愛 | \ 鎮 魂 |
X 子守唄 |
<つつじの乙女あらすじ> | ||
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むかし、太郎山のふもと山口の村にひとりの美しい娘が住んでいた 秋祭りの夜、松代から山越えをして遊びにきた若者に会った ふたりはひとめ見ておたがいに好きになった けれど、三つも四つも山にへだてられて住むふたりに会う機会はなかった 娘と若者の想いだけがつのった |
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思いあまった娘は、ある夜とうとう家を抜け出し、若者のいる松代へ走った 暗い山路をただ若者に会いたい一心で走った その両手にはしっかりと餅米がにぎられていた |
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若者は夜遅く家の戸口に立っている娘に驚きながらも 娘を喜んで家の中へ迎え入れた 娘の手の米は、いつの間にかつきたての餅に変わっていた ふたりはその餅を食べながら幸せだった |
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けれど眠りの少ない夜が続いて、疲れた若者の顔は だんだん青ざめ、やつれていった それと同時に、心の中に娘へのうとましさや、疑いが巣くって行った そしてそれがだんだん大きくなった ある夜、若者は山路のものかげに隠れて娘を待った やがてひた走る娘の足音が聞こえた 黒い影がその娘に向かって躍り出した 娘は崖をはずみながら落ちていった 長い悲鳴が尾を引いて闇の中に消えた |
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